近年、株式投資や投資信託などの資産運用を行う人が増えています。
終身雇用が崩れ、年功序列の賃金体系が崩れつつある今、給料以外の収入源を持っておくことは非常に重要です。
また、老後2000万円問題に代表されるように豊かな老後を過ごすためにはまとまったお金が必要になります。
長引く低金利時代が続いているため、効率よくお金を増やすためにはもはや資産運用を行うことは必須であるといえるでしょう。
そこで今回は、手数料が低く、多くの投資家が利用しているネット証券の中でも特に人気の高いSBI証券と楽天証券について徹底的に比較しました。
手数料や取扱商品など項目ごとに両社を比較していますのでどちらの証券会社を利用するかの判断材料にしていただければ幸いです。
SBI証券と楽天証券を6項目で比較してみた!
ネット証券の2大巨頭であるSBI証券と楽天証券を証券会社を選ぶ際に大切な6つの項目から比較してみました。
- 口座開設数
- 取扱商品
- 手数料
- 取引ツール
- ポイント
- キャンペーン
以上6つの項目は証券会社を選ぶ際にほとんどの人が重視している項目ではないでしょうか?
それぞれの項目についてわかりやすく説明していきます。結論からお話しするとSBI証券のほうが良いかもです。
比較項目 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
口座数 |
1,200万口座 ※2023年5月17日時点 |
1,100万口座 ※2024年4月時点 |
取扱商品 | ◎ | 〇 |
手数料 | ◎ | 〇 |
取引ツール | ◎ | 〇 |
ポイント | 〇 | △ |
キャンペーン | ◎ | 〇 |
口座開設数
2024年5月時点でSBI証券が1,200万口座を超え、2024年4月時点で楽天証券が1,100万口座を超えています。
ネット証券第3位のマネックス証券の口座数が約200万口座なのでいかにSBI証券と楽天証券が人気があるのかがわかりますね。
ちなみに証券大手三社である野村設券・大和証券・SMBC日興証券の口座数は2020年12月末時点でそれぞれ530万口座・300万口座・350万口座です。
つまりSBI証券は、証券業界の雄である野村証券よりも口座数が多く、日本NO1の口座数を誇る会社になります。
取扱商品
2証券会社を選ぶにあたって取扱商品で判断をする投資家は多いのではないでしょうか?
SBI証券・楽天証券がともに多くの投資家から支持されているだけあって取扱商品は質・量ともに業界トップクラスです。
日本株式
日本株における両社の違いは2つあります。
- IPO
- 単元未満株
IPOと単元未満株の両社の違いについてわかりやすく説明しますね。
IPO
IPOとは、「Initial (最初の)Public (公開の)Offering (売り物)」の略で、東京証券取引所などの証券取引所に上場していない企業が株式を上場し、投資家に株式を買ってもらい資金を調達することです。
2020年は全部で93社が上場しそのうち70社の上場初値は公募価格を上回りました。
つまりIPOを手にすることができればかなりの確率で利益を出せることになります。
このIPOを手に入れるには当然ですがIPOの取り扱いがある証券会社で取引をすることが必要です。
しかし、IPOの取り扱いは証券会社によって全く異なります。
IPOの取り扱いが多い証券会社を選ぶことがIPOを手にするための第一歩といえるでしょう。
ちなみに2020年のSBI証券のIPO取扱者数は48社、楽天証券は19社と圧倒的にSBI証券のほうが多かったです。
またSBI証券にはIPOに申し込みをすればするほどポイントが貯まりIPOに当たりやすくなる「IPOチャレンジポイント制度」という仕組みがあることも投資家に人気の一因になります。
単元未満株
単元未満株とは、取引単位である単元未満でも買うことができる株です。 単元は100株単位や1,000株単位が多いので株式取引を行うにはある程度まとまった資金が必要です。
しかし単元未満株であれば1株から購入することができる株もあるのであまり資金がない株式投資初心者の方でも安心して取引をすることができます。
SBI証券では「S株」 という仕組みを導入していて、手数料は無料で1株単位で購入が可能です。
楽天証券では、「かぶミニ」という仕組みを導入し、リアルタイム取引にも対応しています。
外国株式
今人気の外国株式については両社とも非常に充実しています。韓国株式・ロシア株式・ベトナム株式の取り扱いは楽天証券にはありません。
両社の外国株式の手数料については以下のようになります。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
米国株式 | 0.495% | |
中国株式 | 0.286% | 0.55% |
人気の米株については両社ともに同じですが中国株の手数料についてはSBI証券に軍配があがります。
外国株式のラインアップもSBI証券のほうが充実していることから外国株式についてはSBI証券のほうが使い勝手が良いといえるでしょう。
投資信託
両社の投資信託の取り扱い状況についてまとめました。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
投信本数 |
2,637本 ※2023年5月17日時点 |
2,625本 ※2023年5月17日時点 |
買付金額 | 100円から | |
ポイント付与 | Vポイント | 楽天ポイント |
ポイント率 | 0.2% | 0.01%~0.025% |
自動積立投資 | 〇 | 〇 |
取扱い本数やノーロードの投資信託が多いことなどほとんど同じです。
しかし、投資信託を購入した時や保有期間中に受け取ることができるポイントを考えるとSBI 証券のほうが有利であるといえます。
ポイントについては後ほど詳しく説明をします。
手数料
手数料は、証券会社を選ぶ上で最も重要な項目の 1 つです。証券会社を選ぶにあたって手数料を気にしない人はいないでしょう。
対面型の証券会社に比べネット証券は手数料が格段に安いことが大きな売りになっています。
では、SBI証券と楽天証券の手数料はどのようになっているのでしょうか?
株式投資の手数料は「1注文ごとの取引に対する手数料」「1日の合計取引金額に対する手数料」の2つがあります。
・1注文ごとの取引に対する手数料
1回注文の取引金額 | 売買手数料 |
---|---|
~5万円 | 55円 |
~10万円 | 99円 |
~20万円 | 115円 |
~50万円 | 275円 |
~100万円 | 535円 |
~150万円 | 640円 |
~3,000万円 | 1,013円 |
表を見ていただくと、「1注文ごとの取引に対する手数料」に関しては両社全く同じです。
これはもちろん偶然ではありません。両社ともにお互いものすごく意識しているので全く同じ手数料体系になっているのです。 ちなみにこの水準は業界最安値水準になりますので安心して取引をすることができますね。
つづいて、「1日の合計取引金額に対する手数料」についてみてみましょう。
1日の取引金額 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
~100万円 | 0円 | 0円 |
~200万円 | 1,238円 | 2,200円 |
~300万円 | 1,691円 | 3,300円 |
以降100万円 増加ごとに |
+295円 | +1,100円 |
表を見ていただくと、100万円までは両社ともに無料ですが、200万円からの手数料からは差があります。表のとおりSBI証券のほうが手数料は安いので株式取引の手数料はSBI証券のほうが有利なようですね。
さらにSBI証券は2021年4月20日から25歳以下限定で国内現物株の手数料を無料にしたこともありがたいですね。
楽天証券では、2023年10月2日約定分より、手数料「ゼロコース」が開始しました。ゼロコース設定中のお客様は現物・信用とも国内株式の手数料は0円となります。
取引ツール
SBI証券はブラウザの取引ツールとして「HYPERSBI」を提供し、アプリは「SBI証券株」というものを提供しています。
楽天証券は、「マーケットスピード II」(ブラウザの取引ツール)、「iSPEED」(アプリ)を提供しており、どちらも非常に使いやすいツールです。
直感的に利用することができるので株式投資初心者の方でも問題なくどちらのツールも使えるでしょう。
しかし、楽天証券を利用する際は、システム障害に注意する必要があります。楽天証券は頻 繁にシステム障害を起こしており、2020年12月だけでもログイン障害と注文の遅延というかなり重たいシステム障害を2回起こしています。
SBI証券もシステム障害を起こしたことはありますが、取引ができなくなるなどの致命的なシステム傷害はほとんどないことを考えると、安全面ではSBI証券のほうが優れているかもしれませんね。
ポイント
SBI証券・楽天証券ともに株や投資信託を購入したり、投資信託を保有するとポイントをもらうことができます。
SBI証券で受け取ることができるポイントは「Vポイント」になり、楽天証券で受け取ることができるポイントは「楽天ポイント」になります。
どちらのポイントも利用者が非常に多く、使い勝手の良いポイントなので証券取引でポイントを受けとることができることは非常にありがたいですね。
SBI証券と楽天証券のポイントについてまとめてみました。
SBI証券 | 楽天証券 | |
---|---|---|
新規口座開設時 | 100ポイント | なし |
株取引 | 1.1% | 1.0% |
投資信託残高 | 0.2%※1 | 0.01%~0.025%※2 |
※2:一定の残高を達成ごとに10~500ポイント(対象月の月末時点の残高で計算)
表を見ていただくとSBI証券のほうがポイント付与率が高いことがわかりますね。ただし楽天証券は1日の新規建約定金額の合計金額3000万円以上などの大口投資家には通常1%のポイント還元率が2%になることや手数料の優遇がありますので大口投資家に取っては楽天証券のほうが有利かもしれませんね。
キャンペーン
SBI証券、楽天証券ともにキャンペーンを行っています。ポイント山分けキャンペーンや手数料無料キャンペーンなど両社とも多様なキャンペーンを行っていますので是非ホームページで確認してみてくださいね。
まとめ
今回は、ネット証券の中でも抜群に人気の高いSBI証券と楽天証券について比較してみました。
どちらも多くの投資家が利用している証券会社だけあって、ほかの証券会社と比較しても非常に内容が良い証券会社になります。
しかし、細かく比較していくとSBI証券のほうが、内容が良いことがわかりました。取引ツールの使いやすさなどは個人によって違いますので一概には言えませんが、SBI証券のほうが利用価値は高いといえるでしょう、是非今回の記事を参考にしていただき証券取引で大きな利益を狙っていただければ幸いです。